悪女について

悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))

有吉佐和子著「悪女について」

今までで、ここまで熱心に読んだ小説って無いなぁ。通勤時に降りる駅間違えるぐらい集中して読めた本です。主人公は悪なのか善なのか。傍から見ていると「最悪な女」。関西方面で言うところの「えげつない」んだけど、誰も彼女の事を悪く言わない。

「あの人が、そんなこと・・」と周りの人から。必死に演じているのか、本性なのか?

 

富小路公子っていう公家さんと間違えそうな偽名で暮らしていく彼女。交渉能力や頭の良さ、底辺にいる自分が、富豪になっていく道のり。彼女の生き方は見習いたい部分もあるが、計算でも、やはりそこには「運」がつきまとう。

「本人の意志」+「運」=結果

自然の流れで、自分の良いように話を持っていく印象も持ちながらも、主人公から「もうダメだ」とか、諦めが一言も出てこない。ガツガツした気持ちとか悪意とか全く出してない。

追記で、鑑定から観ると、彼女が持っているのは、美貌の数字が複数あり、付き合う相手によって変わっていく数字とお金に関する数字。モテるのも解るし、富豪になったのも合ってる。

で・・・ネタバレしないため書きませんが、結末は、美貌数の逆数意。数字には良い悪いの影響が必ず出ます。

そんなこんなを含めても、おすすめの一冊です。